機関投資家は株式売買において、個人と比べてはるかに大量の株式を扱います。当然ながら、株式取引は売り手と買い手がいてはじめて成立するものであるため、機関投資家が大口注文を確実に執行していくためには、その日の出来高の変化を予測すること重要なことです。
今回、大和証券はコージェントラボ(Cogent Labs)と共同で、人工知能を活用した「株式出来高予測モデル」を開発しました。
これまでに得られた株式出来高のデータを使って機械学習を行い、リアルタイムで出来高を予測できるモデルを開発。取引日における出来高変化を高精度で予測します。
過去のデータを使ってシミュレーションを実施したところ、その予測精度は、ベンチマークと比べておよそ8割の銘柄において改善できたとしています。改善率は平均で7から10%、最大で39%でした。
取引日における出来高予測を高精度に行うことができると、その予測に従って執行スケジュールを組むことで安定した執行成績を期待することが可能になります。
今回開発されたAIを使ったアルゴリズムトレーディングサービスは、コージェントラボと大和証券の間で独占的なライセンス契約が締結されています。
大和証券は、開発した出来高予測モデルを搭載したトレーディングサービスを、来年度の上期中には提供を始める予定だとしています。
- 株式会社Cogent Labs:最先端の人工知能の研究開発および関連ソリューションサービスの提供を行う。AIで手書き文字をデータ化する「Tegaki」を開発。