三菱電機は同社のAI技術「Maisart」を用いて、製造現場の作業分析を短時間で自動化する「行動分析AI」を開発しました。このAIは教師データの作成を不要とし、作業者の身体動作を分析することで数分で作業分析を実現します。
製造現場では、自動化が進展する一方で、人による作業工程が依然として多く存在しています。人による作業工程では作業時間や品質にばらつきが生まれやすく、製造工程のボトルネックとなる場合があります。
ばらつきの改善には作業分析が重要です。作業分析とは、作業を構成する要素作業にかかる時間を定量化することです。
しかし人手による作業分析は、膨大な時間と手間がかかるという課題がありました。
従来の作業分析は、作業者や作業の手順ごとに人手で作業分析した結果を教師データとして作成し、学習させる必要があり、導入に時間を要していました。
しかし、今回開発された「行動分析AI」は教師データの作成が不要であるため、導入が容易で、作業分析にかかる時間を最大99%削減することができます。
このAIは、作業中は同じ身体動作が繰り返し行われることに着目し、循環する身体動作の確率的生成モデルを世界で初めて作業分析に適用したものです。
これにより、作業者のわずかな動作の違いも見つけて分析することが可能となり、作業の改善に役立てることができます。
このAIは、製造現場の生産性向上や、品質の向上に貢献することが期待されています。
