カエルの病気を再現できる薬剤を人工知能で特定することに成功

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人工知能は医療分野においても活用されつつありますが、実際には、そのほとんどがAIによる画像認識を使って診断する方法にとどまっているのが現状です。ところが、米国の研究チームはさらに一歩進んだAIの活用法を見出しています。

カエルには、色素を作る細胞が過剰にできる「色素色素過剰症」と呼ばれる病気があります。

米マサチューセッツ州のタフツ大の研究チームはこれまでに、卵に電圧を加える方法によって色素過剰症を再現したオタマジャクシを作製していました。

ただし、この方法では色素を作る細胞が体全体に広がってしまい、体の一部分だけに色素が過剰になる状態を再現することはできませんでした。

そこで、研究チームは人工知能を使って効率的に色素の分布を片寄らせる方法を探しました。

具体的には、さまざまな薬剤を投与したり、あるいは外部から刺激を与えたときの細胞の反応や、細胞間で行われる信号のやりとりなどをAIに学習させて、どのような薬剤を与えたら、どういった成長をするのかについて計算しました。

さまざまな薬剤の組み合わせなど条件を変更しながら600回近く計算を繰り返したところ、最終的に3種類の薬剤を混合して卵に投与することで、色素細胞が体の一部分に片寄ったオタマジャクシが成長するとの結論を得ました。

実際に、その方法によって実験を試みたところ、生まれてきたオタマジャクシ167匹のうち、およそ4分の1で、AIが計算して予測した通りに病気が再現されました。

今回の実験は、医療以外の分野でも一般的に行われている画像認識といったAIの使い方ではなく、より医療分野に特有である、「薬剤の投与の方法」を予測するためにAIを活用している点が、新しい試みです。

研究チームによると、「狙った効果を生体に与える薬剤を人工知能によって特定したのは初めて」だとしています。

もし今回のように、AIを活用して薬剤の選択や投与方法などを探索する手法が、より高精度なものに展開することが可能であれば、将来的には動物実験を省いた治療法や創薬といった効率的な研究開発につながるものと期待されます。

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