10種類の検査画像からAIで異常を検出する医療画像診断技術を東大発ベンチャーが開発

医療検査用の画像解析を行う東京大発ベンチャー企業のエルピクセル株式会社が、さまざまな検査画像から人工知能で異常を検出する技術を開発しました。




これまでもAIを活用した解析技術の開発は多くの研究機関などで行われてきましたが、同社は10種類の画像を解析できる解析技術を開発しました。

医療画像診断支援技術エイル

医療の進歩によって、レントゲンCT、MRIをはじめとする患者の状態を検査するための画像診断法が増加しています。

検査項目が増えることで診断の正確性は向上しますが、これらの画像を観察して診断する「読影」には高度なスキルが必要とされており、専門の診断医にとっては対象となるデータ量が増え続けることで業務負担が増加することが問題となっています。

エルピクセル社はこれまで、医療や製薬などライフサイエンス領域の画像解析に人工知能の技術を適用するソフトウェアの開発を行ってきました。

同社が開発する技術「EIRL(エイル)」は、AIを活用した医療画像診断支援技術の総称です。今回、脳MRIや乳腺MRI、胸部エックス線、大腸内視鏡、病理など10種類の画像を解析して診断する技術の開発を発表しました。

エイルの特徴として、活用するAIの学習用データには医師のダブルチェック・トリプルチェックが行われた品質が担保されたデータを使用していること、学習データの量が少なくても効率的・高精度に学習できる独自技術を活用していることを挙げています。

また、エイルの画像診断では、現在使用されている主要な画像診断装置や映像プロトコルで撮影された医療画像に対応していること、また、PACSシステムと連携することが可能なことを挙げています。

PACSは医用画像管理システムのことで、診断に用いる検査画像を効率的に管理するための中核システムのことです。

エイルの詳細については、2017年11月26日から12月1日までに米国シカゴで開催されている北米放射線学会でブースを出展しているとのことです。

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