オリンパスが精子の運動性を算出して良好な精子を判別するAIを開発

オリンパスと東京慈恵会医科大学が良好な精子を判別するための人工知能(AI)を共同研究していますが、その過程で精子の運動性を高精度で算出することに成功しています。この研究は生殖補助医療に活用されます。




近年は体外受精など生殖補助医療へのニーズが高まっており、顕微鏡下で授精を行う「顕微授精」の実施件数が増加しています。

そのため、顕微授精や体外受精などの生殖補助医療を行う「胚培養士」の負担軽減が課題となっています。

顕微授精ではたくさんの精子のなかから最適な精子を迅速に判別する作業が必要になりますが、胚培養士間の作業の均質化が求められており、そのためのAIを開発する研究が進められています。

今回、オリンパスは1066個の精子画像をAIに学習させ、動画内の精子を高精度で認識してその運動性能を算出することに成功しました。

精子の運動性の算出例(オリンパス)

良好な精子(黄緑色)の場合は直進性が良好で速度も速いが、不良な精子(茶色)の場合は直進性が悪く速度も遅い特徴があります。

顕微授精の作業でリアルタイムで運動性能が算出されるため、胚培養士による良好な精子の判別をアシストすることができます。

今後は精子の頭部や頸部の形態を学習させることで、精子の形態を評価するAIを開発し、これら精子判別補助AIを搭載した顕微鏡の確立を目指すとしています。

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