京都「丹後地域」の長寿の秘訣をAIで探る

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日本は世界のなかで長寿国で知られていますが、その日本国内でも特に「長寿」として知られている地域があります。そのひとつが京都府北部にある「丹後地域」。

住民の人口に占める100歳以上の割合は際だって高く、全国平均の実に2倍以上。男性の世界最高齢を記録して116歳で亡くなった木村次郎右衛門さんも京丹後市で生まれ育っています。

丹後地域にある4つの自治体(京丹後市・宮津市・伊根町・与謝野町)では、人口10万人当たりの100歳以上の数は今年はじめの時点で135人。いったい、なぜこの地域の人々は特に長寿なのでしょうか。

京都府丹後広域振興局では、「長寿御膳・弁当」という地域のPRにつながる弁当を開発しています。

丹後地域の人たちが長寿なのは、この地域「食」に秘密があるというわけです。たしかに、地域に特有の食生活が健康に寄与し、そして長寿へとつながっている可能性は高いでしょう。

しかし、実際に食生活と長寿との関係、あるいはどのような食事が直接関係しているかなどについては、いまだ明らかにされていません。

そして食生活以外にも、飲酒や喫煙、運動など他の生活習慣だったり、体のさまざまな健康状態、遺伝形質など多様な要因が考えられますが、これらの因子との関係についても調べる必要があります。

そこで、京都府立医科大の研究グループは、血液や体脂肪率、骨密度などの健康状態、食生活などの生活習慣、腸内環境、遺伝子など2000もの項目について調べて、長寿との関係を調べる研究を始めると発表しました。

具体的には、京丹後市に住む65歳以上の500人に参加してもらい、2年に1回、健康診断を受けてもらいます。来年度からは宮津市や伊根町、与謝野町でも500人を募集し、計1000人について15年間にわたって追跡調査を実施します。

一方、残念ながら長寿とは反対に、寿命が短いとして知られている県があります。「青森県」は、厚生労働省が5年おきに実施する平均寿命の調査で男女ともに全国最下位でした。

長寿の要因を調べるためには、反対に寿命が短い地域とデータを比較する必要があります。

弘前大では、青森県弘前市岩木地域に住む20歳以上の市民を対象に2005年から1000人の健康調査を実施しています。そこで、丹後地域のデータと弘前市のデータを比べることで、寿命とさまざまな要因との関係を調べることが可能になります。

また、九州大などが調べてきた福岡県久山町の住民のデータも参考にするとしています。

人工知能も活用して解析

2000項目ものデータから長寿に関係する因子を的確に探し出すのは容易な作業ではありません。

15年間にわたって蓄積されたデータは、遺伝子の情報と合わせてAIを使って解析するとしています。AIであれば、膨大なデータの中から意味のある特徴を見いだすことが可能になり、これまでのような人手によるデータ比較では明らかにできなかった特徴を発見することが可能かも知れません。

京都府立医科大の的場聖明教授は「遺伝子やタンパク質、腸内細菌などこれまで想像していなかった長寿の理由が明らかになることを期待」と話しています。

一方、京丹後市の長寿福祉課によると、とくに他の自治体と比べて特別な対策は行っていないとしています。もちろん、生活習慣病を防ぐための検診だったり体操などを高齢者にすすめるなどは行っているとのことですが。

これまでの研究では、魚介類を多く食べることや、生きがいを感じている人が多いなどの特徴が聞き取り調査でわかったとのことですが、より具体的な要因についてはいまだ不明だということです。

弘前大の中路重之特任教授は青森県の短命の要因について、「飲酒、喫煙率が高い」や「肥満」の影響が考えられるとしています。

また、塩分摂取量が高いという特徴はありますが、同じように塩分摂取量が高い長野県の平均寿命は長いため、よりさまざまな要因について総合的に調べる必要があります。

同教授は、「探るのが楽しみ」と話しています。

SOURCE123
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