AIを糖尿病網膜症の画像診断に活用、撮影範囲外の病状も推測

糖尿病網膜症の画像診断に人工知能の技術を活用することで、撮影範囲外までも推測して病状を判定する手法を自治医科大学の研究グループが開発しました。




また、画像から1年後の予後についても専門医以上に予測することができる人工知能の開発にも成功しています。

糖尿病網膜症は、糖尿病腎症や神経症とともに糖尿病の「3大合併症」とされており、日本では成人失明の原因としては最も多いことが知られています。

網膜は眼底にある神経の膜で、光や色を感じる神経細胞が並んでおり、細かな血管が酸素を運ぶために張り巡らされています。

血糖値が高い状態が続くと網膜の血管が損傷を受け、網膜が酸欠状態になります。その結果、さまざまな異常が網膜上に生じます。

糖尿病網膜症は健康診断時における眼底写真を眼科医が判読して診断を行いますが、撮影される領域は網膜の「中央部分」に限られます。

最近では人工知能を活用して糖尿病網膜症の病状を判定する手法が報告されていますが、撮影されていない周辺部における異常から診断することができません。

しかし、経験豊富な眼科医であれば中央部分の眼底写真のみから周辺に「悪性の所見」がありそうかどうかまで、判読することができます。

そこで研究グループは、中央部分の眼底写真のみの情報と、そこから周辺部までを含めた専門医による判定結果を対応させてディープラーニングを行い、中央写真のみから糖尿病網膜症の病期を判定できる人工知能を開発しました。

開発されたAIについて検討したところ、従来は糖尿病網膜症の病期判定に使われていなかった画像上の特徴についても、病状の判定に使用していることがわかりました。

研究結果については学術誌「PLOS ONE」に掲載されています。

Applying artificial intelligence to disease staging: Deep learning for improved staging of diabetic retinopathy.「病期判定へのAI適用:深層学習による拡張糖尿病網膜症病期判定」

自治医科大学眼科学講座:教授 川島秀俊

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