内視鏡検査でAIが大腸がんを自動診断、動画から瞬時に病変を発見

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedInPrint this pageEmail this to someone

大腸を内視鏡で検査する際、リアルタイムで大腸がんを発見できるシステムを人工知能の技術を活用して開発することに、国立がん研究センターとNECが成功しました。

内視鏡検査において撮影される画像から、大腸がんと前がん病変(大腸腫瘍性ポリープ)が自動的に検知されて、内視鏡医による発見をサポートします。

今回開発されたプロトタイプは、画像解析に適したディープラーニングのAI技術や独自の高速処理アルゴリズム、そして画像処理に適した画像処理装置を用いており、1台のパソコンで動作が可能なシステムです。

内視鏡による大腸がんの診断

大腸においては通常、がんは「前がん病変」であるポリープから発生します。そのため、人間ドックや大腸がん検診でポリープが発見された場合は積極的に内視鏡による摘出が行われます。

前がん病変であるポリープを内視鏡で摘出した場合、大腸がんの罹患率が76%から90%も抑制され、死亡率も53%抑えることができたとの報告もあります(National Polyp Study)。

しかし一方では、大腸の内視鏡検査を受けたにも関わらず、後になってから大腸がんが発生したケースもおよそ6%確認されました。

これは、患者が来院しなかった、治療が不十分だった、あるいは新たにがんが発生したなどのケースもありますが、58%は内視鏡検査時に「見逃し」があったことが原因として挙げられます。

ポリープは内視鏡医が検査時に肉眼で発見しますが、サイズが小さかったり、あるいは形状が認識しにくいなどが現認で見逃しが発生することもあります。

実際、肉眼での発見が難しい発生部位や、医師の技術が不十分などで24%が見逃されているとの報告もあります。

そのため、内視鏡検査による病変の見逃しを改善して前がん病変の発見率を向上させることが、大腸がんの予防や早期発見につながります。

リアルタイム内視鏡診断サポートシステム

今回開発されたシステムでは、国立がん研究センター中央病院で内科医による所見がある、約5000例もの内視鏡画像を使ってNECのAI技術に学習させました。

開発されたAIによって新たな内視鏡画像を解析したところ、前がん病変のポリープや早期がんを98%という高精度で発見することに成功しました。

また、動画中の各フレーム画像を使った検知から結果の表示までの時間を、約33ミリ秒にすることに成功しました。これは1秒あたり30フレームに相当します。

そのため、実際の診療において内視鏡検査時にリアルタイムで発見して、医師にフィードバックすることが可能になります。

今回開発したシステムを活用することで、肉眼で発見したポリープ以外もAIが示す部位をよく観察することができるため、内視鏡による検査の経験が浅い医師をサポートします。

また、このAIは内視鏡で映される画像全体を解析するため、より広い空間を瞬時に解析できることから、人間の視野の限界を補い、発見されにくい部位の見逃しを抑制することにもつながります。

今後はさらに、肉眼での認識が難しい「平坦」または「陥凹」病変についても人工知能に学習させてさらに精度を向上し、臨床試験の実施を目指すとしています。

IMAGE1SOURCE1
Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedInPrint this pageEmail this to someone
NEW POST