広告コピーの作成に人工知能を活用したシステム「AICO(アイコ)」を電通が開発しました。
製品やサービスを宣伝するために使われる広告コピーは、その良し悪しによって広告効果が左右され、製品の売れ行きにも直結します。
電通はこれまで、広告コピーが広告効果に与える影響について定性的・定量的に評価を行うことで、次世代型の広告に関する研究を実施してきました。
そして今回、静岡大の狩野研究室と共同でAIによる広告コピー生成システムAICO(AI Copy Writer)を開発しました。
狩野研究室は「自然言語処理」を専門とする研究室で、大学入試の解答を自動作成するプロジェクト「ロボットは東大に入れるか」の社会科を担当するなどの実績があります。
AICOでは、実際に電通で広告の制作に携わるコピーライターがAIの学習をサポートしており、より人間に近いコピーの生成が可能になったとしています。
AICOは2016年度の「新聞広告クリエーティブコンテスト」に挑戦し、1000以上の応募作の中から16作品のファイナリストに選出されています。
「この広告のコトバは、人工知能が書きました。」
AICOは、青空文庫やことわざなどで多く出現する単語や言葉遣いを用いて、自然言語処理のアルゴリズムによって2万ものコピー案を作成しました。その中から最終的に電通のコピーライターらが選び出して新聞原稿にまとめたとのこと。
広告効果の高い優れたコピーが自動で生成されると、TPOに合わせたメッセージをリアルタイムで変化させて表示させることが可能になります。
これによって、例えばインターネット広告や屋外の広告などでは個人に合わせたメッセージを配信することができ、より高い広告効果が期待できます。