AIを活用して「極めてまれに発生する不具合」を設計段階で見つけ出す

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedInPrint this pageEmail this to someone

発生する確率が極めて低い不具合なため、精密機器などの設計段階で事前に発見することが困難なものを人工知能(AI)で見つけ出す「希少事象発見技術」をNECが開発しました。

今回開発した技術はAIとシミュレーション技術を融合させたもので、複雑な条件の組合せによってまれに発生する不具合の探索を効率化しています。

製品の設計段階で熟練の専門家が行っていた検証時間を大幅に改善して不具合の見落としリスクを減らすことにつながります。

希少事象発見技術

新製品を設計する段階では、コンピュータ上に製品を再現してシミュレーション技術を利用する、評価や検証方法が使われています。

不具合の検証では、熟練の専門家がさまざまな条件を想定してシミュレーションを暗い返して発生する可能性のある不具合を探します。

しかし、複雑な組合せによってまれにしか発生しない不具合の場合は発見に時間がかかるといった課題があります。また、システムの高度化で設計対象が複雑化するため、まれな不具合が見落とされるリスクが増大しています。

そこで新しく開発したシステムでは、AIがシミュレーションの結果から不具合の程度や発生頻度を学習していき、不具合を探索します。

学習した結果に基づいて、頻度が低く不具合の検証が不十分になりがちな条件の知覚を集中的に探索。その一方で、頻度が高く検証が十分な条件についてはまばらに探索していきます。

このように、発生頻度に応じて意図的に探索する条件を不均一とすることで、まれな不具合の発生条件を効率的に絞り込むことが可能になりました。

不具合の探索過程では、最初に発見された不具合の発生条件の近くに探索を集中しすぎると、複数の不具合があった場合にはほかの不具合を見落としてしまうリスクが高くなります。

そのため、見落としリスクを軽減するための最適な条件を数理的に導き出したところ、不具合の近傍とそれ以外の探索の比率が50%であることがわかりました。

不具合の頻度と発生頻度についての学習結果に基づいてAIがこの比率を計算することで、不具合の近傍での探索の集中度を調整していきます。

今回開発した技術を光学機器の設計で実際に検証しました。その結果、発生確率が1億分の1ほどと極めてまれではあるが、性能低下の原因となる「迷光」について、熟練の専門家だと1週間ほど要する検証作業がおよそ1日まで大幅に短縮することができました。

この技術を活用することで、複雑化する機器の設計や社会インフラの運用において、発生がまれであるが重大な結果をもたらす不具合を事前に発見し、信頼性の向上に貢献できると期待されています。

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedInPrint this pageEmail this to someone
NEW POST