AI(人工知能)が書店員の知識や感性を学習して、書店の客層に合わせた選書リストを自動で導き出すサービスを、日本出版販売と富士通が開発しました。今夏から全国の書店向けにサービスの提供を開始するとしています。
新しく開発した選書サービスは「SeleBoo」。これはSelect Bookの略で、日本国内に流通しているおよそ60万もの書籍の中からリストを作成してくれます。日販がリストに基づいて、取引書店に提案して、書店の店頭フェアやイベントでの選書に活用することができます。
「SeleBoo」では、日版がもつおよそ350万点もの書誌情報や、全国3000書店の販売実績の情報、さらにDBpediaやLod4allなどのオープンデータを富士通のマーケティングAIコンテナが分析。
DBpediaとは、Wikipediaから情報を抽出して「Linked Open Data」として公開するコミュニティサイトで、Lod4allは世界中で公開されているLinked Open Dataを収集して一括検索できるシステムです。
SeleBooは各書店や小売店の客層やテーマに適した書籍を選定してリスト化します。選書結果は書店員が評価してフィードバックすることで、AIは書店員の知識や感性を学習して選書能力を向上させます。
まずはテーマで選ぶ「キーワード選書」、指定した本の似たような本を選ぶ「キーブック選書」、あるいは地域に関係した本を選ぶ「地名選書」の機能を提供します。
今後は、書店の特徴に合った本を選ぶ「書店カラー選書」、画像イメージから選ぶ「表紙選書」などを開発してサービスを強化していくとしています。