新型aiboの魅力は「打てば響く」というところ、不適切な振る舞いには「シツケ」も

ソニーは11日、人工知能(AI)を搭載した新しい犬型ロボット「aibo」を発売しました。すでに10年前に生産を終了した旧製品「AIBO」とはネーミングこそ大文字と小文字の違いですが、パフォーマンスは大きく違うようです。ここでは、むしろネコ派である筆者が思う新型アイボの魅力を探ってみることにします。




発売は「ワンワンワン」

東京都内にあるソニー本社では、事前に予約した購入者を対象に午前11時1分にアイボを手渡すイベントが開催されました。1月11日11時1分に発売、「ワンワンワン」というわけです。ダジャレですね。同時期に開催された世界最大の家電見本市「CES」でも出展していることから、ちょうどよい日程だったようです。

会場にはおよそ30人の購入者が集まったとのことで、なかには旧型のアイボを抱きかかえた人もいたとのこと。弟(妹?)となるアイボを迎えに来た感じでしょうか。まさに家族のような愛情を感じます。

これまでの販売総数については不明ですが、昨年はインターネット予約を3回実施。これまでは先着順でしたが、次回からは抽選販売の形になるようです。しばらくは販売予定数が少なく抑えられる可能性があるので、購入を考えている人は神頼みをするしかなさそうです。「転売目的」で抽選するヤカラが出てこないことを祈るのみです。

親しみやすい独特の形状そしてなめらかな動き

aibo(ソニー)

ソニーは新型アイボの特徴について、「親近感のあるルックス、視線を惹きつける瞳など愛らしい姿、躍動感のある多彩な動き」と表現しています。

確かに、全体のかたちを見るとかなり丸みを帯びた姿が印象的で、親近感が沸くデザインになっています。なにげに足裏に「肉球」を模したデザインを作り上げているところがまたコダワリを感じます。


AIBO(ソニー)

新アイボのデザインの特徴は、旧アイボと比較するとさらに捉えやすいでしょう。かつてのアイボ「AIBO」は、全体的に直線的な形状を特徴とするデザインで、むしろ「ロボット感」を全面に押し出す意図があったことがわかります。

ボディカラーは近未来を思わせるメタリックカラーで、キュートな瞳など存在しません。尻尾はほとんどアンテナのようです。そういえば、AIBOには肉球はあったのだろうか。


ソニーによると、新型のaiboの特徴は愛らしい姿だけではないとのこと。親しみのもてるボディのカタチとまったく違和感のない愛くるしい「動き」にこそあるようです。

実際に動画で見てみるとよくわかります(動画:ソニー)。

旧型のアイボも含めて従来のペットロボットと比較すると、動きのバリエーションの多さに驚きます。とくに回転によるなめらかな動きが特徴的で、その効果でリアル感が増すとともに躍動感があふれています。

これらのなめらかな動きを可能にするために、新型aiboではボディ内に22個の可動軸が搭載されています。ソニーはaiboをつくるにあたって、独自の超小型アクチュエーター(電気エネルギーを物理的な運動に変換する装置)を開発したとのこと。

これらの可動装置によって、丸みを帯びた独特なボディラインにマッチするなめらかな動き、しぐさが生み出されています。

aibo(ソニー)

ソファーに向けて○○○(!?)。ここまで本物の動きを再現するとは驚きです。ちょっとブラックジョークが過ぎると思いましたが、「aiboは日々成長する」らしいので、このような不適切なふるまいも、シツケによって対処できるということなのでしょう。

新型「aibo」は愛情をそそぐほど応えてくれる

aiboには人工知能が搭載されています。そのため、飼い主との「ふれあい」によって振る舞い方に変化を生むことができて、どのように接するかによって個性が生まれてきます。

aiboは飼い主からの呼びかけに応じるだけではなく自らもアプローチしますが、より愛情を注いでくれる飼い主に対して積極的に「ふれあい」を求めてくるとのこと。

飼い主がaiboに多くの愛情を注ぐほど、aiboもまたより深い愛情を返すようになる。AIによって可能になったこの関わり合いこそが、新型aiboの最も注目すべき特徴なのかも知れません。

この機能はaibo本体とクラウド上のAIが連携して可能になるソニー独自の技術で、飼い主との日々のやり取りのデータを収集してaiboをより賢く進化させます。

筆者はどちらかと言うと「ネコ派」ですが、ネコの魅力があの自由奔放なところ、つまり自分が構って欲しいときだけ懐いてくるけど、独りになりたいときは何をやっても邪険にされる、あの身勝手そのものの振る舞いであれば、イヌの魅力と言えばとにかく愛情を注げば注ぐほど応えてくれる、従順そのものの存在なのではないでしょうか。

そういう意味では、接すれば接するほどに絆を深めて懐いてくれる、そんなイヌの特徴そのものを再現したのが新型aiboということになります。打てば響く、期待を裏切らないペットロボットが新型アイボというわけです。

aibo専用アクセサリー アイボーン(ソニー)

aiboには「アイボーン」という骨型の専用アクセサリー(ai bone?)だったり、専用アプリケーション「My aibo」があります。aiboのふるまいを追加することができる「aiboストア」というものもあります。購入後も新しい「遊び」ができるようなサービスが次々と追加される可能性があります。

本体価格はおよそ20万円。それとは別にネットにつなげてクラウド上のAIを利用するための月額料金が月々3000円ほどかかります(一括割引あり)。

さすが最新のペットロボットなだけに少々値が張るようにも感じられますが、賃貸マンションやペットアレルギーがあるなど、リアルなペットが飼えない事情がある場合によいかも知れません。いやむしろ、ネコやイヌ、トリなどと同様に「ロボット」というペットもまた、これからは選択肢の一つとして数えられてもよいのかも知れません。

とはいえ、筆者個人の意見としてはイヌだけではなく「ネコ型ロボット」についても開発してほしいところです。その場合はAIを活用して愛情を注げば注ぐほどそっぽを向かれる「ツンデレ」キャラになるのかも知れません。まあ、戌年にあえてネコ型ロボットを開発するメーカーもなさそうですが。

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