人工知能(AI)の技術を活用して、道路の路面を自動で診断するサービスをNTT西日本とNTTフィールドテクノが開始しました。路面状況のデータ収集から診断結果までワンストップで提供するサービスです。
道路路面の効率的な診断の必要性
日本国内の舗装道路は高度成長期に集中して整備されましたが、すでに建設から40年異常も経過しており、老朽化が進行している状況にあります。
そのため、道路の状況に応じて適切なタイミングで修繕するための管理をする必要性が高まっています。
しかしながら、広範囲にわたる道路の点検には膨大なコストと労力がかかるため、低コストかつ効率的な診断方法の開発が課題になっていました。
そこでNTT西日本グループでは昨年11月から12月において、AIを活用した低コストかつ効率的な道路路面診断のフィールドトライアルを実施しました。
フィールドトライアル
トライアルではAIを活用して道路路面の状況について「データ収集」「データ解析・診断」そして「解析・診断結果の可視化」をワンストップで実施しました。
従来の診断方法では、専用車両と専用機材を使ってデータを収集して、さらに専用機材を使って解析する必要がありました。
しかし今回開発したシステムでは、一般車両と市販のビデオカメラやスマートフォンを使ってデータの収集が可能になり、データの解析はフィルタリング技術やAI技術を活用することで自動解析ができるようになりました。
専用の機材などを使わなくても、路面点検に必要な3指標である「平たん性」「ひび割れ」「わだち掘れ」のデータが得られる特徴があります。
高価な機材や専用車両を用いる必要がないため、調査コストを3分の1以下に抑えることが可能になっています。
道路路面診断ソリューション
新サービスの特長は、道路点検の手法が効率化・自動化されており、路面性状を示す指標を低価格で提供する点にあります。また、点検員が行う目視や手作業による点検と違って判断のばらつきがなくなります。
また、診断結果はクラウド地図上に可視化されるため、損傷の状況や異常箇所の確認がしやすいことも特長です。
提供エリアは全国。料金は診断距離1キロメートルあたり18,000円からとなっています。