野村ホールディングスが量子コンピュータをフィンテックに応用へ

野村ホールディングスがカナダ製の量子コンピュータをフィンテックに応用するための研究を東北大の研究グループと共同で開始しました。




同社はこれまでに人工知能の技術を資産運用やトレーディング、リサーチなどに導入して業務の効率化を行ってきました。

しかしデータの分析手法が複雑化してきており、ソーシャルメディアを含めたさまざまなビッグデータを活用する分析でコンピュータ処理を行うデータの種類が増加。さらなる計算効率の向上が必要になってきています。

今回、新たに活用をはじめる量子コンピュータはカナダのD-Wave Systems社製で「D-Waveマシン」と呼ばれるもの。D-Waveマシンはすでに多くの企業で採用が始められていますが、国内の金融業務への応用は初めてとのこと。

D-Waveマシンを活用した実証実験の第一弾は、複数の投資対象銘柄から最良の組み合わせを選択して運用成績を上げる「ポートフォリオの最適化」、そして「将来株価予測」を挙げています。

また、今後はさらにトレーディングやリサーチ、リスク管理などほかの活用方法についても検証していくとしています。

東北大の研究グループは、科学技術振興機構の支援を受けて量子コンピュータ「D-Wave 2000Q」の利用をすでに開始しています。

D-Wave 2000Qは、2000個もの要素からなる複雑な情報を独自の方式で扱うことができ、同大ではこのマシンを利用した量子アニーリングの潜在的な可能性に関する基礎研究、そして実社会への問題への適用を目指す応用研究をしています。

今回は野村ホールディングスと研究グループが共同でD-Waveマシンの資産運用業務への応用を目的とした実証実験が行われます。

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