IoTとAIでレジの混雑をリアルタイムで予測するシステム、OKIが提供開始

IoTの画像センシング技術と人工知能による分析技術を活用して、店舗内でレジが混雑する時間をリアルタイムで予測するシステムをOKIが開発しました。必要なレジ台数が把握できるため、従業員の生産性を向上することが可能になります。




労働人口の減少で発生するレジ問題

少子高齢化によって労働人口が減少している時代、さまざまな業種で人員の確保が難しくなってきていることが伝えられています。

慢性的な人手不足が深刻な社会問題となりつつありますが、流通小売業での店舗内業務もこの問題をかかえており、バックヤードでの在庫管理や品出し、レジ業務の効率化が課題となっています。

レジ業務の場合、買い物客が少ないときに大量の人員を置くことは非効率的です。ところが、効率化を重視し過ぎるとレジが混雑して会計待ちの客が増え、顧客満足度の低下につながります。

そのため、レジが混雑しないレベルで効率よく業務ができるようなシフトの作成が重要となってきます。

しかしながら、買い物客の数は曜日によっても時間帯によっても違っており、さらに各店舗によって特徴があるため、適正な数のレジ台数を予測するのは困難です。

IoTとAIの分析技術で適正なレジ台数を予測

そこで今回、沖電気工業(OKI)では店舗に設置した映像IoTシステムとAIアナリティクス技術を使って、適正なレジ台数を日ごと、時間ごとに把握できるシステムを開発しました。

この技術は「レジ適正台数見える化」サービスと呼んでおり、画像センシング技術を搭載した映像システム「AISION(アイシオン)」と、OKIのクラウドシステム「EXaas(エクサース」)、そして店舗のPOSデータを連携することで必要なレジ台数を予測します。

さらに、OKIでは「レジ混雑予測」サービスも同時に開発しました。

このサービスでは、来店する買い物客の属性と買い物時間を認識して、実際にレジに並ぶ人数をリアルタイムで算出して、その計算結果を管理者のスマートフォンに通知するものです。

そのため、管理者は店舗内の状況を自分の目で確認する必要がなく、通知された内容に従うだけで、レジが混雑しはじめる前に最適なタイミングでレジの開閉を指示することが可能になります。

このように、混雑する時間だけレジ要員を増やすなど、スタッフの配置を適正に管理することで、従業員1人の時間当たりの生産性が向上します。同社の測定によると、8台のレジを設置する店舗で10%以上の生産性向上が実現できるとしています。

さまざまな情報を見える化するOKIの「VisIoT」

OKIでは、流通小売業界に向けたサービスとして、店舗業務を改善するためのソリューション「VisIoT(ビショット)」の提供を開始します。

このソリューションは、IoTの画像センシング技術と人工知能を活用したシステムで、「集める」「見える」「改善する」をコンセプトにしています。

店舗内のヒト、モノ、コトのデータをIoTの技術で収集して見える化し、さらにAI技術を使ってデータ分析、活用することで、店舗内のさまざまな課題を解決するとのこと。

今回、サービスの提供を開始した「レジ適正台数見える化」と「レジ混雑予測」はこのソリューションの第一弾としての位置づけで、今後はさらに「シフト計画作成支援」「欠品検知」「特定人物検出」「待ち時間予測」などのサービスを追加していくとしています。

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