菓子の製造工場にIoTと人工知能(AI)技術を導入して、製造ラインの故障を予知する実証実験を、六花亭製菓が開始しています。
工場内に設置された設備や機械は全体でひとつのラインを形成しており、たった1台の設備の停止がライン全体の停止に直結してしまう重要な事態へとつながるリスクがあります。
そのため、ラインの稼働率を向上させるためには不具合のある箇所を早期に発見することがとても重要です。
六花亭製菓の製造工場においても例外ではなく、設備の突発的な故障は商品の生産計画を乱す大きな影響を与えることがあります。
これまでは、定期的に設備を点検して部品を交換することで故障を防いできましたが、しかし故障の予兆を検知して効率よく対処することは困難でした。
振動データとAIを活用して工場内設備を予知保全
今回の実証実験では、IMV株式会社のもつ振動計測の技術と、NTTテクノクロスが提供するAIと見える化技術を活用して、工場内の設備を予知保全できるかどうかを検証します。
実験では、オーブンのモーターとファンに振動センサーを取り付けます。センサーから得られたデータをAIに学習させることで、機械が故障する予兆を検知できるかどうかを検証します。
振動データを分析するプラットフォームには、IMVとNTTテクノクロスが共同開発した「ラムダバイブロ分析パッケージ」を使います。
この分析パッケージは、モーターやポンプ、送風機といった回転機械の振動データを分析して、機械の故障を早期に発見します。振動センサーの信号を測定して解析するユニット、蓄積されたデータを効率よく処理する分析基盤、そして分析データを見える化するツールなどが組み合わされたパッケージとなっています。
今回の実験では、人手による点検を削減できるかどうか、故障の予兆検知における精度の均一化、そして故障による製造ロスの削減効果が確認されます。
実証実験は、六花の森工場で実施されます。