Google「Pixel Buds」を使ったリアルタイム翻訳、国際線で活用の試み

Googleが出しているワイヤレスイヤホン「Pixel Buds」は、スマートフォンを通してGoogleアシスタントを呼び出せばリアルタイム翻訳も可能になる。18カ国50都市以上への直行便を運行しているニュージーランド航空は、Pixel Budsを使った翻訳機能を同社のサービスで活用する試みを開始したと発表した。




リアルタイム翻訳を可能にするGoogleのイヤホン「Pixel Buds」

Googleが開発したBluetoothイヤホン「Pixel Buds」はAppleのAirPodsの対抗製品と言われているが、外見はちょっと違っており、左右のイヤホンは首の後ろをとおすコードで結ばれている。

Pixel Buds(Google)

この左右をつなぐコードの存在がネガティブに受け取られている向きもある。しかし、Pixel Budsの本当の価値がわかるのは実はそんな些細な部分ではなく、イヤホンから直接Googleアシスタントを操作でき、そしてGoogleのスマートフォン「Pixel」または「Pixel 2」と連携することで「リアルタイム翻訳」が可能になる点にある。

「Google Translate on Pixel」と呼ばれる翻訳機能を使うには、右のイヤーピースにあるボタンを押しながら話せばよい。そしてボタンから手を離すと、話した内容が自動的に相手の言語に翻訳されて、スマートフォンのスピーカーから相手に伝えられる。

また、相手が話した言葉も自動的に自分の言語に翻訳されて、Pixel Budsから聞くことができる。まさにリアルタイム翻訳が実現されており、翻訳というよりむしろ通訳機能と言ってもよい。

対応する言語は日本語を含めて40カ国語もある。リアルタイム翻訳の機能を使うためにはどんなスマートフォンでもよいわけではなく、PixelかPixel 2に限られる点には注意が必要だ。

Googleのリアルタイム翻訳で言語の壁を乗り越える

ニュージーランド航空は1940年に設立された国際航空会社で、アジア太平洋を含む18カ国の都市へと直行便を飛ばしている。この航空会社は、日本からニュージーランドへ直接行くことができる唯一の航空会社でもある。

同社では多言語の乗客に対応するための社員を数多く抱えているが、すべてのケースで完全に対応できるわけではない。

チェックイン時や搭乗時、あるいは離陸後の機内において国際色豊かな乗客と円滑にコミュニケーションをはかるためには、多くの言語への対応が必要であり、そのためにはリアルタイムで翻訳してくれるシステムが助けとなる。

そこで期待されたのがPixel Budsだ。

Pixel Budsの活用イメージ(ニュージーランド航空)

同社のチーフ・デジタル・オフィサー、アヴィ・ゴラン氏はPixel Budsの活用について、「チェックインや搭乗時のほか、機内においても、スタッフが国際色豊かなお客様と効果的にコミュニケーションを取れるようになるでしょう」とコメントしている。

同社は航空会社としては珍しくデジタル関連の試みを推し進めており、これまでも人工知能や拡張現実、ソーシャル・ロボティクスに関連した取り組みを実施している。

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