パナソニックと富士通がAIを活用した特許調査システムを開発

パナソニックと富士通が人工知能(AI)を活用した特許調査のシステムを開発しています。専門知識をもたない製造現場の担当者が意図する検索結果の精度を向上することで、調査業務の負担軽減に貢献できるとしています。




近年は専門的なノウハウをもつベテラン社員が減少したり労働時間の削減をはかるなど、業務の効率化や労働生産性の向上が課題となっています。

特に製造業の企業ではグローバルでの事業展開に向けて幅広い特許調査を実施する必要があり、調査業務における効率化が急務となっています。

特許調査においては、技術者の調査スキルによっては抽出される文書が膨大になり、適切な文書を得るために検索を繰り返す必要があるなど、担当者の負荷が課題となっていました。

そこで、パナソニックが提供する既存の特許調査支援サービス「PatentSQUARE」にAIを搭載した検索機能を新たに追加して、ユーザー企業である三菱電機の特許調査業務で検証を行いました。

特許調査業務を効率化するAI検索機能の特長(パナソニック・富士通)

この検索機能では、従来のキーワード検索ではなく、入力した文章と特許文書の類似性を解析して検索するため、ユーザーの意図する特許を抽出することが可能になります。

事前に膨大な特許文書を学習した知識構造化モデルを利用しており、特許の要約や請求項など各項目の特徴から検索を行うことも可能。これによって、従来と比べておよそ1.5倍から2倍の検索精度を実現することに成功しました。

AI検索機能の特長としては、キーワードや分類コードなどの検索条件を正確に組み立てることなく、思いついた文章を入力するだけで数千万の特許公報文書から抽出できたり、AI解析によってスコアリングして表示して上位の特許文書を集中的に確認することもできます。

また、検索時に使用した文書と抽出された適切な文書、または必要でない文書をデータとして蓄積して、AIが継続的に学習して過去の調査ノウハウを次に反映させることも可能です。

今後はパナソニックの「PatentSQUARE」、富士通の「ATMS PatentSQUARE」にそれぞれ搭載して、さまざまな業種のユーザーの特許調査負荷の軽減、特許情報の活用促進に貢献していくとしています。

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