ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントが人工知能を活用した投資信託を設定すると発表しました。日本など先進国の200銘柄の株式に投資するとしています。
最近では、最先端のIT技術を金融サービスに活用する「フィンテック」と呼ばれる動きが活発になりつつあります。そのなかで、資金を効率よく運用するために人工知能を使う試みもまた始まっています。
ゴールドマン・サックスが設定するファンド名は「GSグローバル・ビッグデータ投資戦略」としており、SMBC日興証券などが個人投資家向けに販売します。(AI運用の投信、ゴールドマンが日本参入)
ゴールドマン・サックスは投資先の決定にAIをどのように使うのでしょうか。同社は、人間が日常で使う言語をコンピュータに処理させる「自然言語処理」を活用します。
投資先として有望な企業を決定するためには、アナリストの作成したリポートやニュース記事などを使うことができます。
同社はこれまでに、100万本以上のリポートや2600万件以上のニュース記事をシステムに処理させています。AIは、これらの膨大な情報に基づいて企業の収益性や株価が割安であるかを判断して、将来株価が上がると見込まれる銘柄を決定します。
同社はすでAIが運用する投信を米国や欧州で販売しており、これまでに好成績を収めているとしています。
日本でも、三菱UFJ信託銀行がAIを活用した投資信託を開発しており、今月から販売を開始しています。同社のAIでは、膨大な数の経済指標やニュース、過去の株価の動きを分析して銘柄決定をしているという。(金融機関 資金の運用や営業にAIの活用広がる)
また、新生銀行でのAIの活用方法は、顧客の年齢や取引実績に基づいた最適な金融商品を提案する手法で、こちらも今月からサービスを開始するとしています。
AIを使った資金の運用は、コンピュータが自動で銘柄を選定してくれるため、人件費がかからず時間効率もよいというメリットがあります。
しかし、当然ながら市場平均を上回る投資収益をあげることができなければ、まったく意味がないものになってしまいます。
人工知能を活用した投資手法はまだまだ始まったばかりですので、今後、実際にAI投資が実用に耐えられるものなのか、あるいはまだ開発の余地があるのかなど、明らかになってくるでしょう。