シグモイド関数は、人工知能や機械学習の分野で広く利用される重要な活性化関数の一つです。グラフに描くと、なめらかなS字型の曲線を描くことから、「シグモイド」(ギリシャ文字の「シグマ」に由来)という名前がつけられています。
この関数の最も特徴的な働きは、どんなに大きな正の値や小さな負の値を入力として受け取っても、その出力を必ずゼロから一の間の範囲に変換することです。具体的には、入力値が非常に大きい(正)と出力は一に近づき、入力値が非常に小さい(負)と出力はゼロに近づきます。
この「ゼロから一」に収める性質は、AIにおいて非常に便利です。特に、何かを二つのグループに分類する二値分類問題では、シグモイド関数の出力値を「ある事象が起こる確率」として解釈できます。
例えば、メールが「迷惑メールである確率」や、画像が「犬である確率」といった具合です。出力が一に近いほどその事象が起こる可能性が高いと判断されます。
かつてはニューラルネットワークの隠れ層でも使用されていましたが、層が深くなると勾配消失問題という学習が停滞する現象を引き起こしやすいという欠点があり、現在では主に出力層で分類の確率を出すために利用されることが多くなっています。この関数によって、ニューラルネットワークは非線形な(直線では表せない)複雑な関係性を学習することが可能になります。
