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マルチエージェントシステム

マルチエージェントシステムとは、複数の自律的なエージェントが互いに協調したり、競争したりしながら、共通の目標達成や問題解決に取り組む人工知能の枠組みです。

個々のエージェントは、環境を認識し、推論し、行動する能力を持ち、それぞれが限定的な知識や能力しか持たない場合でも、集合体としてより複雑で大規模な問題を効率的に解決できます。

このシステムの重要な特徴は、エージェント間の相互作用にあります。情報やタスクを交換することで、全体として分散的な処理が可能になり、単一のエージェントでは困難な状況に対応できます。

例えば、物流管理においては、各配送車両を個別のエージェントとして扱い、交通状況や荷物の情報に基づき、最適な配送ルートをリアルタイムで決定させることができます。

また、マルチエージェントシステムは、動的で不確実な環境での柔軟性や、システムの一部に障害が発生した場合でも全体として機能し続けるロバスト性に優れています。

市場のシミュレーション、災害時のレスキューロボットの連携、オンラインゲームの非プレイヤーキャラクターの行動制御など、幅広い分野で応用されています。

単なる並列処理ではなく、自律的な意思決定と複雑な協調・競争関係を通じて、システムの「知性」を創出するのが、このアプローチの核心と言えます。