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ベクトルデータベース

ベクトルデータベースは、高次元のベクトルデータを効率的に格納し、検索するための特殊なデータベースシステムです。

従来のデータベースが構造化されたデータを中心に扱うのに対し、ベクトルデータベースは非構造化データ(画像、音声、テキストなど)を、機械学習モデルによって生成された数値の配列である埋め込み(embedding)へと変換して管理します。この変換プロセスにより、データのセマンティックな意味や特徴が捉えられ、ベクトル空間内の点として表現されます。

ベクトルデータベースの核心は、このベクトル空間における類似性検索、特に最近傍探索(Nearest Neighbor Search)にあります。これは、あるクエリベクトルと最も「近い」位置にあるデータベクトル群を高速に探し出す技術です。

距離の尺度としては、コサイン類似度やユークリッド距離などが一般的に使用されます。しかし、高次元データでは次元の呪いにより単純な全探索が非効率となるため、近似最近傍探索(Approximate Nearest Neighbor Search, ANN)アルゴリズムが用いられます。

このANNアルゴリズムは、多少の精度を犠牲にする代わりに、膨大なデータセットから目的のベクトルを迅速に検索することを可能にします。

これにより、自然言語処理におけるセマンティック検索や、画像認識における類似画像検索など、意味に基づいた柔軟なデータ検索が実現されます。

ベクトルデータベースは、生成AIやレコメンデーションシステムといった、セマンティックな理解を要する現代のAIアプリケーションの基盤技術となっています。