富士ソフト株式会社が開発したAI搭載型のコミュニケーションロボット「PALRO(パルロ)」について、銀行の窓口業務でアシスタントとして導入する実証実験が肥後銀行で始まります。
金融機関でコミュニケーションロボットが顧客の資産運用の相談に携わるのは、全国でも先駆的な取り組みです。
PALROが金融商品の説明をサポート
富士ソフトは30年以上もさまざまな金融機関のシステム構築に携わってきており、そこで得られ高度な業務知識やデータを数多く蓄積しています。
そこで同社では、金融機関で活用できるAI搭載型のコミュニケーションロボット「PALRO」を開発し、店頭での挨拶のほか、窓口業務のサポートや金融教育のプレゼンテーション、サイネージと連動する金融情報の紹介など多岐にわたるサービスへの活用を進めています。
今回は、専門性の高い進んだ活用として、行員が顧客に金融商品を説明するのをサポートする「販売支援アシスタント」としての活用が可能かどうかの実証実験をスタートさせます。
応接ブースでの応対で活用する方法で、PALROとPCを連動させてPALROとPCが商品説明をサポートします。
対象となる金融商品はについては、58種類の投資信託からはじめて、順次対象を拡大していく予定だとしています。
肥後銀行では、すでに2014年12月から小学生向けの金融教育セミナー「お金の教室」でPALROを活用しており、すでに5台を導入しています。
同銀行と富士ソフトでは、導入当初からPALROの活用方法についてほかの可能性を検討してきており、顧客への分かりやすい商品説明の必要性が高まっていることから、商品説明のシーンで活用するための準備を進めてきました。
PALROによるサポート内容は、投資信託の商品説明のほか、専門的な金融用語についての説明。効果としては、説明内容の均一化や商品説明が分かりやすくなること、そしてフィデューシャリー・デューティーへの適切な対応が挙げられます。
フィデューシャリー・デューティーとは、「受託者責任」のことで、資産運用を受託する者が、委託した者に対して責任を負うことを意味する近年導入されてきた概念です。
実証実験は、肥後銀行・学園大通支店 (熊本県熊本市中央区大江3丁目2-30)で2017年11月24日から18年2月28日までを予定しています。