セントレアと名古屋市内をAI乗合タクシーが結ぶ、効率的な配車と走行ルートを計算

中部国際空港(セントレア)と名古屋市内を結ぶ「乗り合いタクシー」で、人工知能を活用する試みが開始されました。AIの技術を活用することで、最適な走行ルートや台数を判断することが可能になったとしています。




つばめタクシーのエアポートリムジン

AIを使った乗り合い型タクシーの運行をしているのは、名古屋市を中心に展開するつばめタクシー。

同社は、中部空港が開港した2005年に乗り合いタクシーを導入しましたが、ルートの作成や配車に労力がかかるため、3年ほどで休止していました。

しかし今回、AIによる乗り合い型タクシーの実証実験をしている大学発ベンチャー「未来シェア」の協力を得ることで、新サービスの運行が可能になったとのこと。

未来シェアは、公立はこだて未来大学発のIT技術を使い、乗り合い公共交通サービスの普及を目指しています。

運行されるのは最大9人まで乗ることができるワゴン車のタクシーで、中部国際空港と名古屋市周辺を定額料金で結んでいます。

運賃は片道1人あたり6千から7千円で、通常のタクシーと比べると半額程度。3人以上の申し込みで1人1000円割引、4人以上で1500円割引、さらに往復で500円割引などのサービスがあります。

AIを活用して配車やルートを自動計算

乗り合い計算AIシステムでは、「SAVの配車計算アルゴリズム」を応用した未来シェア独自開発の乗り合い計算AIシステムが利用されます。

各利用者について希望する乗車場所と空港到着希望時刻を入力すると、最も効率のよい走行ルートやお迎え予想時刻が自動で決定されます。また、利用人数や時間帯に応じて最適な台数も判断されます。

SAVとは、タクシー(デマンド型)と路線バス(乗り合い型)それぞれの長所を融合した、ルートを固定せずに需要に応じた乗り合い車両を走行させるシステムです。

IoTやクラウドプラットフォームをベースとしたシステムによって、人工知能がリアルタイムに車両の最適な走行ルートが決定されます。

現在は希望する利用日の二日前までに電話での予約が必要ですが、8月からはスマートフォンでの予約受付も開始する予定だとしています(詳しくはセントレア、つばめタクシーのウェブサイトを参照)。

  • つばめエアポートリムジン:中部国際空港と名古屋市内を乗合定額運賃で結ぶ。利用日の1カ月前から2日前の16時半までに予約受付。8月からはスマートフォンでの予約が開始される。
  • 未来シェア:移動格差のない社会を目指し、公立はこだて未来大発のIT技術で未来の公共交通を創造する。昨年12月にはNTTドコモ主催のデマンド乗合車両の実証実験の一環として、東京都内でのSAV(Smart Access Vehicle)の走行実験を実施。
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