トランプ大統領のツイートを使って株の自動売買ができるAIシステムをT3が開発

「トランプ大統領がツイートすれば子犬が救える」と言っているのは、テキサス州にあるマーケティングテクノロジー会社「T3」。




この会社は、なんと人工知能を使うことで、トランプ大統領がツイートすればするほど利益を上げることができるシステムを構築したという。

先月20日に第45代アメリカ合衆国大統領に就任したドナルド・トランプ氏は、大統領就任より前からツイッターのアカウントを使い、自身の生の声を世界に伝えるためのメディアとして活用しています。

トランプ氏といえばマスコミとの対立がよく取り沙汰されており、「マスコミは真実を伝えないからツイッターで発信している」とも話しています。ただし最近では、実際にツイートしているのはトランプ氏自身ではなくて、専門のチームが戦略的にツイート内容を作成しているという話も出ているようですが。

それはさておき、トランプ氏が毎日のように活用しているツイートでは、個別の企業を攻撃する投稿も度々発信されています。

その内容によっては、企業に対して大きな打撃を与えるものもあるため、ツイートひとつで各企業は対応に追われたり、あるいは直接的にマイナスの材料となる場合には株価の変動にも直結します。最近では「指先介入」とまで言われています。

この動きに目を付けたのが「T3」です。

T3社の社長であるBen Gaddis氏は、トランプ氏がツイッターでボーイング社やロッキード・マーチン社を攻撃したときに株価が急落したのを目にして着想を得たとのこと。

もし、トランプ氏のツイート内容を分析して株価の変動を予測できれば、瞬時に株式の売買取引を行うことで利益を生み出すことにつながります。

文章を分析してその意味を解釈する技術は人工知能の領分です。T3社はAIを使ってトランプ氏のツイートを分析し、株価の変動につながる投稿を特定、そして株価にプラスの材料であるか逆にマイナスの材料であるかを判断するシステムを構築しました。プログラムの名前は「Trump and Dump Bot」です。

さて、これまでの実際の運用成績が気になるところですが、3回の取り引きではわずかに損失を出したものの、2回の取り引きで大きな利益を上げたため、同社は「満足している」とのこと。

1月上旬にトランプ氏がトヨタのメキシコ工場建設計画を批判するツイートを投稿した際には、トヨタにとって大きなマイナス要因であるため、株価が下落すると予測した株取引を行い「非常に大きな」利益を得たそうです。

「ツイート」という誰もが瞬時に得られる情報を基にした株取引手法は、確かになかなかのアイデアかも知れません。

今後も満足できる運用成績を続けられるかどうかはわかりませんが、トランプ氏がこれからもツイートを第一メディアとして活用する限りは、持続可能な取り引き手法であることは間違いありません。

ところで、T3社は「Trump and Dump Bot」によって得られた利益を米国動物虐待防止協会に寄付しているそうです。

つまり、「トランプ大統領がツイートすれば子犬が救える」というわけですね。

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