ファーウェイが「AIプロセッサー」を内蔵したスマートフォンを発売

日本のSIMフリースマートフォン市場でシェアを拡げているファーウェイが最新モデルを発表しています。新モデルで最大の特徴とされているのが、AIプロセッサを搭載して高速処理を実現している点。いったい人工知能でどんなことができるのでしょうか。




AIプロセッサー内蔵の新世代スマートフォン

11月28日、ファーウェイは日本で発売する新製品の発表会を東京都内で開催しました。

新たに投入されるモデルは3モデルで、フラッグシップの「Mate 10 Pro」、価格を抑えた「Mate 10 Lite」そしてタブレットタイプの「MediaPad Lite 10 WP」です。

その中でもMate 10 Proはビジネスユーザーを意識したハイエンドモデルで、背面部を5層構造にしたり防水・防塵性能を備えるほか、デザインも洗練されています。

MATE 10 PRO(HUAWEI Technologies)

そしてこのモデルの最大の特徴は、人工知能のプログラムを専用に処理する「NPU(Neural-network Processing Unit)」を搭載しているところです。このAI専用のプロセッサによって、AIプログラムを利用する際にクラウド上ではなく、ローカルで処理することが可能になっています。

AIプログラムを走らせるときのパフォーマンスと電力効率は、従来のモデルと比べて格段に向上しているとのこと。

さて、このAI専用プロセッサはこのスマートフォンにおいてどのように威力を発揮するのでしょうか。

AIが自動で写真を仕上げてくれる

ファーウェイのスマートフォンと言えば、ライカとのコラボによる「ダブルレンズカメラ」が注目されています。

MATE 10 PRO(HUAWEI Technologies)

搭載するのは2つともf1.6という非常に明るいレンズで、1200万画素RGBセンサーと2000万画素のモノクロセンサーが搭載されます。

レンズが2つあることのメリットは、撮影後にピントの位置を自由自在に変えることができることにあります。

また、ピントの位置を変更できるということは、画像内のすべての位置でボケの量を調節できることを意味しています。そのため、非常にボケ味の効いた写真にしたり、逆にすべてのモノにピントが合った「パンフォーカス」の画像も作ることが可能です。つまり、後から「絞り値」を変更できることにもなります。

このように、ファーウェイのスマートフォンはカメラ性能が非常に優れた端末になっているわけですが、さらに新機種では、AIを使ったより進んだ撮影が可能なものに進化しています。

スマートフォンに限らず、写真を撮影した後は自分の好みのテイストになるように、画像を編集して明るさや色味を調整したりすることがあります。

ところがMate 10 Proでは、AIが代わりに画像の編集作業をしてくれて、どんな種類の写真でもキレイな写真に仕上げてくれる。AIが最適な「絵」になるように自動で調整してくれるので、カメラの知識がなくても美しく撮影することができるようになります。

カメラでの撮影のために搭載された人工知能は、1億枚以上もの画像を使って学習しており、被写体の認識とインテリジェントな撮影設定をリアルタイムで実行できるようになっています。

AIによって認識できる被写体やシーンは13種類あって、文字や食べ物、青空やビーチ、犬や猫、あるいは夜景などさまざま。従来のカメラでも、被写体によって撮影の設定を変更するシーンモードはありましたが、AIを活用することでより的確に設定してくれるようです。

さらに、マイクロソフト製の翻訳アプリが搭載されており、AIによって最大で300%も処理が高速化、50以上の言語に対して翻訳ができます。また、翻訳アプリに入力する方法としては、文字のほかに音声や撮影した写真、さらに対話型の音声入力にも対応しています。

発売は12月1日で、価格は8万9800円。ボディカラーはミッドナイトブルーとチタニウムグレーの2色が用意されているとのこと。

SOURCE123
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