楽天証券とSBI証券が「不公正取引」をAIで監視、実証実験を開始へ

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株式注文での「不公正取引」を人工知能の技術で監視する実証実験を、楽天証券とNECが開始しました。これまでの市場のデータを使って不公正取引を判定できるかどうかを検証し、2017年度中の実用化を目指しています。

不公正取引

楽天証券では1日に数十万件もの株式取引が行われています。不正な売買については、監視業務の担当者が一定の基準に基づいて「不公正取引」のおそれがあるものを抽出しています。

不公正取引には、「仮装売買」や「馴合売買」、「株価操作」などの相場操縦が含まれます。

「仮装売買」とは、同一人物が同時期に同価格で売りと買いの注文を行うもの。権利の移転を目的とせず、他人に誤解を生じさせる目的をもった売買です。また、「馴合売買」とは売り主と買い主があらかじめ通謀して行う売買です。

株価操作とは、人為的に市場価格を変動させるもの。あたかも自然な需給によって価格が形成されたように他人に誤解させ、その相場の変動を利用して自分の利益を得る行為です。

実際には売買する意思のない注文を繰り返す「見せ玉」は、実態以上に相場を強く見せたり弱く見せたりして、特定の銘柄の株価を自分に有利となるように動かすことになります。

人為的に株価を変動させたり相場の需給で誤解を与えるなど、株価を意図的に操作することは公正な株価の形成を妨げることになります。

このような取引を行ったことが認められた場合には、売買目的のヒアリングや注意喚起を行う、あるいは取引の制限をするケースもあります。

しかしながら、日々の膨大な取引の中から不公正取引のおそれのある売買を人手によって抽出して判断するのはあまり効率的ではありません。

AIによって監視業務を高度化

そこで楽天証券は、NECのAI技術である「NEC the WISE」のディープラーニング技術である「RAPID機械学習」を使って、AIによる不公正取引の自動判定が可能かどうかを検証することにしました。

これによって、監視業務の高度化や効率化を達成し、不公正取引を防止する監視業務を強化するとしています。

また、今後は市場における不公正取引のほか、マネーロンダリングなどの検知や未然防止機能の実装などについても積極的に進めていくとしています。

SBI証券もAIによる売買審査業務の実証実験を開始

一方、SBI証券もNECのRAPID機械学習を導入して売買審査業務を行う実証実験の開始を発表しました。

SBI証券では、不公正取引の可能性がある注文についてはあらかじめ設定した基準によってシステム的に抽出し、その中から担当者が判断、疑いのあるものについてはさらに詳細に調査する2段階のフローで審査しています。

しかしながら、初期の調査データが多いことから審査担当者の業務効率が上がらないという課題がありました。

また、近年は不公正取引の複雑化によって審査対象が拡大しており、疑いのある注文を正確かつ迅速に判断することが重要になっていました。

SBI証券では、過去の不公正取引を人工知能に学習させて初期調査の大部分をAIに判断させることで、審査担当者の業務を軽減できるとしています。その結果、より高度な分析が必要な取引に担当者が注力できると期待しています。

さらに、RAPID機械学習によってこれまでは発見が困難だった新たな不公正取引の傾向を把握することも可能になるのではないかとも期待しています。

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