アサヒグループホールディングスは、社内のOA機器やITツールに関連する問い合わせへの回答に人工知能の技術を活用した「AIヘルプデスク」を導入すると発表しました。ヘルプデスクの業務の効率化を図り、対応時間を削減するとしています。
アサヒグループでは現在、社内においておよそ300のシステムやITツールを使用しており、これらのツールやOA機器の不具合などに関連した問い合わせの件数は、年間で72000件にものぼります。
これまで、同社では社員からの問い合わせに対してヘルプデスクで8回線を使った電話回答で対応しています。オペレーターが交代制で8時から20時まで対応していますが、実際に応答できているのは半数の約36000件程度に留まるという。
そこで、AIを活用したシステムを導入することで電話対応と併用し、今年10月までには応答率を70%まで引き上げることを目標としています。
AIヘルプデスク
今回導入を決定した「AIヘルプデスク」では、具体的な問い合わせ内容を文章で入力するとAIが自動で回答を返します。
OA関連についての社員からの問い合わせについてAIが24時間対応で休み無く自動応答することで、応答率を向上させてヘルプデスク業務の効率化を進めます。
パソコンやスマートフォンの画面に文字入力するとAIが質問の意図を解釈して、チャット形式によって利用者と会話した後に適切な回答を表示します。
解決にいたった回答についてアンケートで答えてもらうことで、さらに学習して精度が向上していくとしています
ヘルプデスクでは、2003年からの問い合わせ対応について、質問と回答のデータを蓄積しており、これらの中から抽出されたデータをAIに学習させることで、利用者の質問内容を認識して自動で適切な回答を導き出すシステムが構築されました。
ただし今回「AIヘルプデスク」で対象とするのは「Office365」に関連する質問のみとしており、同社のオリジナルのシステムまで対象を拡大するのは10月以降としています。
また、「AIヘルプデスク」で蓄積されるノウハウを活用し、2018年以降には総務、人事、経理、営業などほかの部門においてもAI技術の活用領域の幅を広げていき、社内外からの問い合わせ業務の効率化についても目指していくとしています。
これらの部門で問い合わせ業務に対応する時間を削減し、本来取り組むべき業務に集中することで業務の質を高めることにもつながります。