米国の半導体メーカー「NVIDIA」と中国の検索エンジン提供企業「Baidu」は、人工知能テクノロジーに関する幅広い提携をすると発表しました。
両社が協業していく計画については、BaiduのCOOである陸奇氏がAI開発者会議で以下の内容を発表しています。
NVIDIAの次世代GPU「Volta」を「Baidu Cloud」に採用し、ディープラーニングプラットフォームをクラウドの顧客に提供。
NVIDIAのAI車載コンピューティングプラットフォーム「DRIVE PX」をBaiduの自動運転車に採用して開発。
Baiduが提供するオープンソースのディープラーニングフレームワーク「PaddlePaddle」をNVIDIAのGPU「Volta」向けに最適化して、研究機関などに提供。
BaiduのDuerOS対話型AIシステムをNVIDIAの「SHIELD TV」に追加して中国の消費者向けに提供。
Baiduは同社のデータセンターにおいてNVIDIAの「HGX」アーキテクチャーを展開。同社の「PaddlePaddle」とNVIDIAの推論エンジン「TensorRT」を組み合わせることで、研究者や企業が最先端のテクノロジーを活用できます。
2013年にオープンソース化されたフレームワーク「PaddlePaddle」はすでに多くの製品開発に使われており、Baiduの検索ランキングや画像分類サービス、音声認識などで利用されています。Voltaがもつ120テラフロップスというディープラーニング性能によって、次世代のAIアプリケーションの開発を進める上で最適なプラットフォームが利用できるようになるとのこと。
また、BaiduはNVIDIAのAIスーパーコンピューター「DRIVE PX 2」を自動運転車プラットフォームに採用しました。
Baiduoの自動運転車のオープンプラットフォーム「Apollo」において、Tesla GPUやDRVE PX 2などのNVIDIAのテクノロジーを活用するとしています。また、中国の複数の大手自動車メーカーが業務提携に参加すると発表しています。
NVIDIAのゼネラルマネージャー・Ian Buck氏は「NVIDIAとBaiduはディープラーニングとAIで目覚ましい進歩を切り拓いた。AIはこの時代で最も強力なテクノロジーで、あらゆる業界を変革する可能性をもつ」と述べています。
また、両社のもつ技術的なリソースをAIコンピューティングのプラットフォームにあてることができ、これは学術研究からスタートアップ企業までさまざまな組織における開発者が対象となるとしています。
- NVIDIA:デスクトップパソコンやワークステーション、ゲームコンソールなどでインタラクティブなグラフィックスを作り出すGPUを開発。ビジュアル・コンピューティングテクノロジーの世界的リーダー企業。近年ではGPUディープラーニングが新時代を切り開く近代AIの起爆剤となり、さまざまなコンピューター、ロボット、自動運転車の中枢にGPUが搭載される。