カラスは鳥類の中でも非常に優れた頭脳をもっていることが知られています。そこで、とても賢い「カラス」に協力を仰いで行方不明者を見つけようという、画期的な研究が進んでいます。
「鳥頭」と言われるように、一般的に鳥類はあまり頭脳がよろしくないと考えられていますが、実際にはそうでもないことが最近はわかってきています。
例えば、鳥はある程度の「文法」を理解することができ、特にカラスは「顔」で相手を識別する能力があります。
そこで、カラスと何らかの形でコミュニケーションをもつことができたなら、私たち人間のサポートをしてくれるのではないかというわけです。たとえば、警察犬が「行方不明者を捜索」するように。
イヌは人間の1億倍ともいわれる嗅覚で行方不明者の捜索をサポートしてくれますが、カラスは上空からの捜索で助けてくれます。
しかし、ネックとなるのは「コミュニケーション」。
そこで、総合研究大学院大学の塚原直樹さんらの研究グループは、カラスの鳴き声を使って人工知能に学習させる研究をしているとのこと。
上空からの情報を効果的に得られることで、不審物の発見にも役立ちます。また、犯人の追跡や発見にも貢献してくれそうな気がします。犯人からすると、まさか上空からカラスが見張っているなんて考えもしないでしょうから。
そうなると、将来は「警察カラス」が誕生するかも知れませんね。
塚原直樹さんはハシブトガラスの発声や視覚についての研究を行っており、「カラスとのコミュニケーション」をライフワークにしているという。そこで収集してきた「カラスの鳴き声」は、AIのためのデータには有用です。
このように、人工知能は動物とのコミュニケーションに活用される事例も今後は増えてくるのかも知れません。
とてもクレバーなカラスの実験
AIとは関係ありませんが、カラスの賢さを実証する動画が話題になっています。
筒状の容器に入っているエサを取ろうとして、カラスが奮闘しています。見事、水の入った方の容器に小石を落として水位を上げて、エサを獲得。
直径の異なる2つの容器では小さな容器の方に入れて効率的にエサを得たり、初めから水位の高い容器を目指すなど、予想をはるかに超越するクレバーぶりを見せつけるカラスに驚くばかりです。
ふだんは害鳥として扱われているカラスですが、案外ペットとして飼ってみたら、よきパートナーになれるかも知れません。(※通常は鳥獣保護管理法で禁止されています。)