温室メロンは贈答用などに用いられるなど高級果実として知られています。そのため、大きさや糖度に加えて果実の形状や網目の状態もまた品質を決定するものとして重要な要素となっています。
このような、メロンの外観の品質については、これまでは熟練生産者が目視で判断をしていました。しかし、判定作業には多くの時間を要したり、生産者ごとに判断基準がバラつくなどの課題がありました。
そこで静岡大学などの研究グループは、温室メロンの網目の品質を認識して等級を判定するAIを開発しました。
まず、一般的なRGBカメラで取得したメロンの360°映像データから、メロン表皮の全周を表す網目画像と輪郭画像を生成。
等級判定に寄与した部位を表現するActivation Mapと深層距離学習によって網目の品質を定量化することで、熟練生産者の判定をおよそ82%で再現する等級判定AIを開発しました。
この技術によって、熟練生産者の等級判断の根拠となった網目の部位の可視化や、等級ごとの類似度をレーダーチャートで表示することができます。
また、温室メロンだけではなく、外観の品質判定が重要視されるほかの農作物や工業製品にも応用が可能です。