商品の陳列方法やPOPなど、AIが「売場づくり」を評価する

小売り店舗における商品の陳列方法やPOPなどを人工知能(AI)が分析して、売場を評価するサービスを大日本印刷株式会社が始めると発表しました。数千件もの売場データを使って比較できるため、1プロセスの画像から評価が可能だとしています。




売場づくりの価値を高めて販売促進するサービス

オンラインショッピングを利用する消費者が増加している現在、実店舗の売場では商品に触れたり試したりするなど、オンラインでは得られない体験によって差別化をはかることが必要になってきています。

大日本印刷では2013年から、売場における商品の陳列法法やPOPを活用した演出について、「フィールドスタッフ」が売場を調査して評価するサービスを提供しています。

売場づくりでは、視覚的に訴えて購買意欲を向上させる「ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)理論」が活用されています。

VMDとは、文字通りマーチャンダイジング(商品化計画)をビジュアル(視覚化)とすることで、店舗における商品プレゼンテーションを重要視する理論です。

同社ではフィールドスタッフが売場を観察して5段階評価を行い、その評価ポイントと売場の改善案を提供しています。

今回、新たに開始するサービスは、売場づくりにおける演出の評価にAI技術を活用して客観的かつリアルタイムで実施できるとしています。

AIを活用した売場評価サービス

同社ではこれまでのサービスから数千件もの売場データを蓄積しています。新しいサービスでは、これまでに培われた調査員のノウハウや観察データをAIに学習させ、より客観的な評価を可能にしています。

サービスのイメージ(大日本印刷)

これまでは、フィールドスタッフが店舗を観察して結果を集計、そしてレポートの作成と改善案の提示まで、およそ2週間もの期間を要していました。

しかしAIを活用したサービスでは、売場の画像データをAIに読み込ませるとリアルタイムで評価して結果をレポートに出力します。

また、これまでのサービスでは複数の店舗を比較したうえで対象店舗の評価を実施していましたが、新しいサービスではこれまでの数千件のデータを使用して比較が可能なため、1プロセスの画像から評価が可能だとしています。

サービスの価格は月額100万円~(税抜き)。今年4月からサービス開始を予定しています。

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