知らない単語の意味を「会話の流れ」から学ぶ人工知能を開発

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人工知能(AI)を使った対話システムにおいて、知らない単語(未知語)の意味を対話の流れの中から判定する「暗黙的確認」という手法を大阪大学産業科学研究所の研究グループが開発しました。

暗黙的確認で対話から判断

最近は人工知能(AI)の技術を活用した対話システムの開発が進んでいます。ユーザーによる音声入力に対して音声で応答するロボットや、テキストによる入力に対して会話形式で応答していくチャットボットが多く開発されています。

これまでに開発された対話システムでは、基本的には事前に組み込まれた知識に基づいてユーザーからの質問に答えていく手法が用いられていますが、もし対話の中でシステムが知らない単語が出てきたときはどのようにしたらよいでしょうか。

「○○とは何ですか?」などの質問をユーザーに投げかけることで、その単語の知識を獲得していくシステムもまた開発されていますが、このような質問ばかりになると煩わしさをユーザーに感じさせることにもなります。これは人間どうしの会話でも同じですね。

実際の会話では、知らない言葉が出てきても「たぶんこれだろう」といった推測をしておいて、会話を続けながら自分の推測が正しかったかどうかを判断して何食わぬ顔をして話を続けていく。そのような、相手に不快な思いをさせないための会話テクニックがあります。

これと似たような、無粋な質問を繰り返すことなく話を続けて知識を得ていく対話システムを大阪大学産業科学研究所の研究グループが開発しています。

研究グループが開発したのは、「暗黙的確認」と呼ばれる手法です。

暗黙的確認の例(大阪大学)

この手法では、対話の中でユーザーから発せられた未知語のカテゴリーを推定します。そして推定したカテゴリーを含む暗黙的確認要求を生成します。

たとえば、上の例であるようにユーザーが「ナシゴレン」という未知語を発したときに、「インドネシア料理」というカテゴリーを推定します。

そして、そのカテゴリーを含む確認要求「この辺にインドネシア料理を出す店が増えましたよね」を生成して応答します。

次にユーザーの応答から推定結果の正誤を判断します。例では、ユーザーが「きっとナシゴレンもあるよね」という応答を示したため、ナシゴレンがインドネシア料理というカテゴリーで正しかったことが分かりました。

このように、未知語について直接的に尋ねることをせずに会話の中から学習して精度を上げていく手法が開発されました。

また、この他にも複数の人とのやりとりを総合的に判断して正誤判定の精度を上げる手法も開発しています。これは、あるユーザーが言ったことをシステムが鵜呑みにしてしまって誤った知識を覚えてしまうことを回避するためです。

これらの手法によって、開発者が事前に用意したやりとりに限らず人間との会話の中で自ら学習して賢くなる対話システムが実現されると期待されます。

自動テーラーメイドにつながる対話システムの手法を開発

これまでの対話システムでは、どのようなユーザーに対しても「平均的」な対話をするようなシステムが構築されています。

しかし、今後のAIロボットに求められているものは、話す内容だったり話し方などを相手によって変えることも必要になってきます。

今回研究グループが開発したシステムは、ユーザーとの対話から自ら学んで賢くなる一歩進んだシステムの実現につながるアプローチの一つです。このようなシステムは、「自動テーラーメイド」が可能な対話システムの実現にもつながるものです。

SOURCE1
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